米国のキューバ攻撃に対する抗議声明

昨年12月に中国で確認された新型コロナウイルスによる感染症は、瞬く間に世界に蔓延し、多くの人々の生命を奪い、人々の生活を根こそぎ破壊し続けています。コロナウイルスは、狡猾で狂暴な悪魔です。人間の体内に身を潜め、隙を伺い、突如として狂暴な姿を現します。しかも、コロナウイルスにとっては、国境や社会体制の相違は何の意味も持ちません。したがって、コロナウイルスと戦うためには、私たちは理性レベルを最高度に引き上げるとともに、国家や社会体制の相違を超えて力を結集しなければなりません。情報の共有、専門知識や経験の共有、国家間の交通規制、医療協力、医療機器や医薬品の相互提供、ワクチンの共同開発といった国際協調がなければ、桁違いの破壊力を持つコロナウイルスには太刀打ちできないということです。

にもかかわらず、トランプ政権はコロナウイルスの破壊力を軽視し、科学的な知見を排除し、しかも国際協調をことごとく拒否し続けています。根底には、自国第一主義が横たわっています。自国第一主義は、国境や社会体制の相違を前提にし、さらに自然環境などをめぐる国際協調を拒否する姿勢と表裏一体となっています。しかし、このような政治姿勢は、コロナウイルスを前にしては、もはや無力な孤立主義に過ぎません。

問題はそれだけではありません。トランプ政権は、感染症が蔓延する中、社会体制を異にする国々への根拠なき批判と攻撃を繰り返しています。特に、キューバに対する攻撃はトランプ政権になってから一層激しくなっています。攻撃は、物流、金融、人的交流、さらにはキューバと取引する国や企業に対する圧力強化などあらゆる面に及んでいます。

トランプ政権による対キューバ攻撃については、2つの重大な誤りを指摘することができます。第1は、国際法上の誤りです。キューバはあらゆる国際法を順守しているにもかかわらず、米国は根拠にならない的外れな理由で、しかも国際法上の正当な手続きも踏まずに、キューバに対する攻撃を続けています。これは、明らかな国際法違反です。否むしろ、国際法を無視した身勝手な暴走というほかありません。断じて許されるものではありません。  

第2は人道的な誤りです。米国によるキューバ攻撃は、医薬品の調達難などを通じてコロナウイルス蔓延下でのキューバの医療体制に大打撃を与えています。これによって、キューバ国民は日常の生活物資不足に加え、医療面でも窮地に追い込まれています。しかも、トランプ政権は、信じがたいことにキューバ政府による国際的な医療支援に対しても的外れな批判の矢を向けています。このような態度は、コロナウイルスと戦っている世界中の必死の努力を無力化する恥ずべき行為というほかありません。つまり、トランプ政権の自国第一主義は、キューバ国民だけではなく世界中の国民を苦しめているということです。

トランプ政権は、まずはキューバを含む他国への理不尽な攻撃を直ちに中止すべきです。その上で、世界中の国々と分け隔てなく手を取り合い、コロナウイルスとの戦いに臨むべきです。それが、コロナウイルスとの戦に勝利し、世界中の、そして米国民の生命を守る唯一、最善の方策だと確信します。

                          2020年5月16日

                          日本キューバ友好協会理事長

                                   工藤昌宏 

                          

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